放射線治療が終了し退院してPflegeheim(介護ホーム)に入って1週間もたたないうちにまた入院となりました。肺炎です。どういう経緯かわかりませんが、救急車で運ばれた先は今までとはまた違う病院。
集中治療室に入り数日を過ごし、片方の肺に水が溜まっている(レントゲンが真っ白)とのことでお医者さんからはもうあまり長くないという話があり旦那も取り乱してしまいました。
入院したのが水曜日、木曜日の時点でかなり厳しいという話をされたのですが、その後落ち着いたようで土曜日の夕方には一般病棟に移りました。集中治療室には子供は入れないので、昨日は娘を旦那と私が代わる代わる見てママのお見舞い。私は入院して以来初めて訪問するのでママもまさか私が来るとは思ってなかったか、集中治療室で面会したとき私とわかった時にママが泣き出しました。旦那がお見舞いに行ってもママは最近、ずっと泣いているそうです。
話す元気も目を開ける元気もあまりなくて、でもそんな中でも「孫は元気?」と孫の話題。なかなか会えないから旦那が写真を見せていたようです。旦那が面会中は私は娘と病院のお庭をお散歩。ものすごいいいお天気。このところ寒い雨の日が続いているけれど久々の快晴。パパの介護をした3月初旬ぐらいから、なんか私自身もあまり月日の実感がなくて、もう5月か・・・という感じ。

その日の夕方、普通病棟に移ったので翌日は娘も連れて面会。いつもより目も開けてたし、手を動かしてたし、ちょっと話してたし。でも悲しいかなそういうレベルでちょっと良くなったと思えるぐらい、今後の回復はほぼ見込めないと言われています。前日は集中治療室でものすごいたくさんのチューブが繋がれ、色んな機械が周りに置いてあって、その雰囲気にちょっとただ事ではない印象を受けましたが、普通病棟に移ったのでそんな雰囲気含め、ちょっと落ち着きました。
ちょうどお昼時だったのでお昼御飯が運ばれてきました。娘がオミ(ママ)にお昼ご飯をあげました。とっても上手にオミの口に持っていく娘。ただそのテンポがちょっと早くて、ママも食べるのが大変そう(笑)。ママは話したり、笑ったりは難しかったけど、孫が食べさせてくれて少しは幸せな時間になったかな。

ママが娘の足を握る手に愛情を感じます。ちょうど2か月前、オパ(パパ)に同じようにご飯をあげたね・・・。
ここ数週間でママが入院した病院としては3軒目。その他、癌の名医らしい先生が別の病院にいて色んな先生の見解を聞きました。少しでも望みを!と抗がん剤治療を求めるママですが、更に弱るだけではないかと、今のママには無理なんじゃないだろうか?と思っていましたが、どの先生も「治療をしたいならどうぞ」という感じ。望みがないといわれる一方で、それでも患者が希望する以上は応えるのかな、と思っていたのですが、今回入院した病院の先生は「今のこの弱っている状態では無理です、少なくとも一人で立って歩いて動けるぐらいの状態にまで元気にならなければ抗がん剤には耐えられません、まずはそこを目指しましょう」と、医学的知識のない私ですらそうだろうと思っていたのですが、ようやくやっとこのことをちゃんと言ってくれる先生に出会えました。
先生がそう言った背景は色々あると思います。多少良くなるかもしれないが、もうそんな治療はしないほうがいいということなのか、治療したいというママの「元気になりたい」という気持ちを保つためにそう言ってくれたのか、そこまではわかりませんが、今回のみならずこういう先生の言い方とか説明の仕方って同じことであったとしても対応の仕方や言い方、その態度で患者も家族も救われるんだなと感じることが多々ありました。
素人の私がママや旦那に「抗がん剤は本当に大丈夫なの?更に弱くなったりしないの?」という私の気持ちを伝えても聞いてもらえませんでしたが、先生がちゃんと言ってくれたことでママも旦那も納得し、まずは元気になることを目標にする!となったのは良かったです。
パパがホスピスに入るときにホスピス協会みたいな所とママは連絡を取っていて、パパが亡くなった後、その協会からボランティアでママのお手伝いに来てくれている女性がいました。とはいえ家にいた期間が短かったのでほんの3回ほどしかチャンスがなかったのですが、その方(60歳ぐらいの女性)が時折ママを訪ねてきてくれます。介護ホームにも来てくれたし、今の病院にも来てくれました。
私はその機会に立ち会えたことがないのですが、旦那曰くその方のママの励まし方が本当に上手だとのことで、言葉だけでママの気力を奮い立たせるというのか元気にさせるパワーがあるらしく、今のママには治療とか薬とかではなくて、そういう「言葉」でそれが気力となってちょっと元気になっていたりします。ママのお友達も誰かしらが来てくれていて、ママは本当にお友達に恵まれているなと思います。
ママの唯一の親族である実のお兄さん、ママより2つ上でベルリンに住んでいて、ブログにも何度か書いたことがありますが、昨年は私達がその叔父さんのところに遊びに行ったり、私たちの結婚式には犬連れで参加してくれた叔父さん。私のことをあまり相手にしてくれない愛犬タミラちゃんの話を覚えている方もいるかもしれませんね。
実はその叔父さんも今、闘病中。昨日、手術をしましたがあまり良い状態ではないとのこと。旦那がママのお見舞いに行ったときにはその叔父さんに電話をしてママと叔父さんが電話で話す機会を作っているのですが、今はその2人が互いに互いを支え合っている感じです。ママのためにも叔父さんのためにも2人とも頑張ってほしい。もしどちらかに何かあったときはその励まし、頑張り合っている気力がプツンと切れてしまうのではないかとそれが今私たちは心配でなりません。一目会わせてあげたいのですが、ベルリンとは距離もありすぎて今はママにも叔父さんも動ける状態ではないのが辛いところ。
次の週末はパパの四十九日にあたります。ドイツでは四十九日だからと何かあるわけではないけれど、まだお葬式も出来ておらず、ママが元気になったらとは言っていたもののどうするんだろう・・・。正直、旦那もどうしたらいいのかわからないようです。私はママが参加できなかったとしてもお葬式はしてあげたらどうかな、と思っています。なんか、今の状態だとママを待っているような感じがしてしまうのですが、でもママの元気になるという気力の一つはきっとパパのお葬式をちゃんとしてあげたいというのもあるだろうし・・・。
こんな状態なので毎日その日その日をどう過ごすか決めているような日々。休暇とか大きな計画も立てられないし、お友達との約束もキャンセルしたりそんな毎日。お天気もいい時期だし本当なら楽しいシーズンなんですけどね。それでも娘がいるだけで、楽しいことは毎日いっぱいあるし近場に散歩に行ったりするだけでも楽しそうにしてくれるので救われます。
そんな娘、今まで前髪ばかり切っていたのですが、後ろの毛も長くなってきて結ぶのも嫌がるし切ることにしました。子供用の美容室も知らないし、サクサクっと私が切りました。くせ毛なので多少揃ってなくてもわからないし。おとなしくしてくれていたのでゆっくり切れたのですが、トトロのサツキちゃんみたいになりました(笑)。